CONTEST GUIDE BOOK VOL.1 1995-1996 掲載


くるいお〜えむの6m & down問答
★ 無修正版 ★
written by JH4UTP/1

人:こんにちは、狂OM。今日は 6m & down の技を伝授してもらいにきました!
狂:おぉ、人並君か。コンテストに技なんぞは無用ぢゃ。その辺にあるリニアを貸してあげるからどれでも好きなのを持っていきなさい。
人:またぁ、適当なこと言ってぇ。
狂:こう言えば、「やっぱりパワ−ですか」と大方は納得して帰るもんぢゃが...
人:それが、6Dみたいに周波数が高くて移動運用のときはパワ−はあんまり重要じゃない感じがするんです。何か別のコツがあるような気がするんで、教えて貰えないかなと思って遊びに来たんですよ。
狂:う〜む、少しは知恵がついてきた様ぢゃな。
人:悪知恵ばかり仕込まないで、たまにはまともな知恵も仕込んでくださいよ〜。
狂:自分で色々考えて工夫するところがコンテストの醍醐味ぢゃ。楽しみを残しておこうという親心が解らんかのぉ。
人:え〜、ケチだなぁ。とりあえず、麦酒でもどぉです?
狂:おぉ、それを先に言えば話は早いものを...んグッ、んグッ、プハ−ッ!

−・・・−

人:それでは、とりあえず場所選びで悩んでいるんですけど。
狂:移動したとき、ヤッホ−!とやっとるかな?
人:えっ!?
狂:ヤッホ−! と叫びたくなるところに行っておるかときいておるのぢゃ。関東ぢゃったら、関東平野中にヤッホ−の声が届くようなところぢゃ。しかも、関東平野のどこからでもヤッホ−! と叫ぶワシの姿が見えないと駄目ぢゃ。
人:そんな、遠すぎて見えるわけないですよ。
狂:いやいや、交信相手との間に障害物があってはならんと云うことぢゃ。特に1.2G以上のSHFは障害物の向こう側とはQSOできないと思ったほうがいいぞ。
人:ええっ? DXer連中は見通し距離外にガンガン飛ばしてますよ。
狂:それは、センタ−局が居るからじゃ。おぉと口が滑べったわい。もとい、あれはハイゲイン&ピンビ−ムのアンテナと高性能プリの賜ぢゃ。反射とか回折に強くなるから、パスさえ掴めばググッと距離が伸びるそうじゃ。が、コンテストで移動すると混変でプリは使いものにならん。パスを見つけるのも短時間では難しい。てなわけで、なかなかDXerヲヤジのように距離は伸びないものじゃ。
人:へ〜、シングルバンドで固定が強いのは、そーゆー理由なんですね。
狂:ウム、固定は電源事情も良いしな...
  さて、話を戻すが、この前2.4Gで移動したとき,完全に見通しなのにJARLビ−コンが+20dB位しか振れないことがあった。おかしいなと思って良く見ると、枯木がビ−コンの方向に立っておる。向こうの景色が丸見えのスカスカの枯木ぢゃ。が、ポ−ルをのばして枯木の上にアンテナを出したら何と+60dBのフルスケぢゃ。
人:えッ! そんなに違うんですか!
狂:ウム。SHFは給電系も要注意ぢゃ。見通しのビ−コンやレピ−タがフルスケぢゃあない場合は、トラブルありと思った方がよいぞ。コネクタの抜き差しやコンタクトの掃除で回復する場合もあるからセッティングは慎重にやらねばならん。また、430Mでは問題にならないような同軸のイタミもバカにならん。低損失ケ−ブルは移動で使うと痛みが早いから1〜2年で交換した方がよいゾ(作注:UTPは劣化した同軸で涙を飲んだことがある)。予めコネクタが付いている市販品には作りがしっかりしていてるものもあって移動むきぢゃ。自分で付けたNコネは外被の接合部が痛みやすいから、時々外してチェックした方が無難ぢゃ。
人:ふ〜ん、SHFってシビアなんだなぁ。
狂:トランスバ−タを使う場合は当然アンテナ直下ぢゃ。あと、SHFは雰や雨の影響も無視できんぞ。天気によって移動地や部門を選ぶことも必要じゃ。
人:でも、なかなかよい場所はないですよ。
狂:こればかりは自分で探すしかないな。6Dの結果は場所で決ると言ってもよいのぢゃ。ぢゃから、有名スポットは場所取りが大変だし、穴場スポットはおいそれとは教えて貰えん。
人:う〜、厳しいなぁ。場所捜しのコツはないんですか?。
狂:まぁ、無いこともないが...おや? 麦酒がもうないのぉ。
人:ちょっ、ちょっと待っててください、買ってきますから!

−・・・−

狂:ゴキュッ、ゴキュッ、うめ−ッ! 
  さて、国土地理院の地勢図で調べる位の基本動作はやっておるぢゃろうな。理想は360゜開けているところぢゃ。が、なかなかそんなとこはないから、作戦に合わせた場所を選ぶことが重要ぢゃ。マルチバンドならSHFのマルチで勝敗が決るから、大都市にむかって開けておれば充分ぢゃ。シングルバンドならマルチと局数が程良く稼げる場所でなければならん。木立に囲まれていて一見ロケが悪そうでも、ポ−ルを伸ばせばエラク飛ぶ穴場もあるから要チェックぢゃ。峠や斜面でも使える場所はあるぞ (作注:UTPはいつも東斜面)。自分で捜すのは時間がかかるから、ハイカ−と仲よくなって眺めの良いところを教えて貰うのもテぢゃ。特に写真機を持っている人は狙い目ぢゃよ。
人:絶景スポットをいつも捜しているからですね(作注:UTPもこうして教えて貰った)。でもロケがいいと、430MのFMなんかは混信でお手上げになりませんか?
狂:ウム、あのバンドはビ−ムとGPの両方がないと苦しいな。実際やってみるとビ−ムでしか聞こえない局も多い。突然涌いてくる24V系を避けるためにも必要ぢゃ。
人:すると、シングルバンドなら430M以外でもビ−ムとGPの両方が必要そうですね。
狂:そうぢゃ。アンテナをコマメに切り替ながら、ビ−ムを振るのぢゃ。結構忙しいゾ。430Mくらい局数が居るとビ−ムでもレ−トが確保できるが、1.2G以上だとGPの方が能率がよい(作注:埼玉近郊の場合。都心から100km以上離れるとビ-ムの方が良いらしい)。この辺をどうバランスさせてスコアを上げるかが面白いとこなんぢゃ...グビッ、グビッ!
人:レ−トといえば周波数が高くなる程、QSOが間延びしていてかったるいんですけど。
狂:ははは、それはバンドのカルチャ−というものぢゃ。430Mだと開局1〜2年という人が殆どぢゃしな。「こちらは、ジャパ〜ン、ホテル、なんとか・・・、ジェイ、エイチ、なんとか・・・」と、ゆっくり喋るのがベストぢゃ。ARRLコンペのようにやると、誰も呼んでくれない可能性もあるゾ。
人:はは〜、フォネティックを知らない人にも解るように、ということですね。
狂:そして、スタンバイの後は「どうぞ」を忘れずに言うことぢゃ。これを言うと言わないとでは呼んでくる局数が違ってくるゾ。
人:呼ぶタイミングもわからない人がいると云うことですか? 
狂:2mやSHFは挨拶も入れた方がいいなァ。50Mとその以外のバンドは、人格を入れ替えるくらいの気構えでやる方が良いと思うゾ、ヒック!
人:いくらなんでも、ちょっと嘘くさいなァ...
狂:ホントか嘘かは、自分で確かめるのが一番ぢゃ。ムニャムニャ、眠くなってきた。
人:最後の方はよく解りませんでしたが、結構深いんですね。
狂:そうなんぢゃ。今日は天気もいいから場所捜しを兼ねて移動してみてはどうぢゃ?
人:ええ、そうしてみることにします。どうも今日はありがとうございました。

−・・・−

狂:...6Dはビギナ−にも参加し易い部類ぢゃから、このコンテストで多くのビギナ−にコンテストの面白さを味わって貰いたいものぢゃ...人並君のようなコンテスト好きが、VUからどんどん育って欲しいものぢゃのぉ..Zz...


※ CQ ham radio 1995 6、7月号に掲載された「究極お〜えむ」は、本稿を一般誌向けに修正したものです。コンテスタ−の皆さんはこちらの無修正版でお楽しみください。(U)

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