2002.08.16版 JARL会費はどう使われているのか? 〜これでもまだ会費を払いますか?〜 JARL News 5・6月号に掲載されたH13年度決算により修正。 JARLの会費は高い。 平均的な会員の場合、年に9回JARL Newsがきて、2ヶ月に一度30枚(1)弱のQSLが届く。これ以外の会員サービスとはほぼ無縁だ。開局してJARLに入会したものの\7,200は高すぎると辞めて行くのも、これでは当然と感じる。
JARL NewsとQSL転送に掛かる費用は、総支出の僅か23%(H13度)(2)だ。ほぼ全会員が享受する2大サービスに必要な経費は意外に少ない。にもかかわらず赤字が続くJARL。残る77%はいったい何に使われているのか?
素人分析(3)の結果、私は次の2点が問題だと考えている。
1.高すぎる間接・管理費 JARLの支出は決算書上、 |
H8 | H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | H14予算 | ||||||||
会員事業費 | 1,003,595 | 64.2% | 902,400 | 62.9% | 811,176 | 63.9% | 683,967 | 64.5% | 579,399 | 61.9% | 566,479 | 71.7% | 527,303 | 80.6% |
刊行物 | 202,624 | 13.0% | 182,503 | 12.7% | 174,220 | 13.7% | 156,232 | 14.7% | 172,052 | 18.4% | 130,276 | 16.5% | 56,529 | 8.7% |
管理費 | 574,680 | 36.8% | 463,474 | 32.3% | 378,113 | 29.8% | 318,958 | 30.1% | 252,547 | 27.0% | 197,035 | 24.9% | 219,948 | 33.6% |
合計 | 1,780,899 | 114.0% | 1,548,377 | 108.0% | 1,363,509 | 107.4% | 1,159,157 | 109.3% | 1,003,998 | 107.2% | 893,790 | 113.1% | 803,880 | 122.9% |
%は正味収入(当期収入-繰越収入-会費(終身)積立預金取崩)に対する割合。 しかし、支出の内容を、 |
H8 | H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | H14予算 | |||||||||
直接 | 直接事業費 | 669,401 | 42.8% | 592,205 | 41.3% | 503,447 | 39.6% | 439,742 | 41.5% | 351,377 | 37.5% | 277,766 | 26.8% | 263,768 | 40.3% |
間接 | 人件費 | 517,698 | 33.1% | 490,689 | 34.2% | 420,036 | 33.1% | 300,729 | 28.4% | 263,643 | 28.2% | 212,115 | 26.8% | 207,871 | 31.8% |
間接 | 積立金 | 131,378 | 8.4% | 52,414 | 3.7% | 32,695 | 2.6% | 40,978 | 3.9% | 26,281 | 2.8% | 36,713 | 4.6% | 31,555 | 4.8% |
間接 | 管理・間接 | 462,422 | 29.6% | 413,069 | 28.8% | 407,331 | 32.1% | 377,708 | 35.6% | 362,697 | 38.7% | 367,196 | 46.5% | 300,686 | 46.0% |
つまり、 ・会員事業費と事務局人件費を削って会員サービスが低下 する一方で、 ・間接・管理費の削減は収入の減少に追いついていない ことがわかる。会員が減った割には、間接経費が減っていないというわけだ。 間接管理費で注目すべきは、会費収入が減少している中、増加あるいは削減割合が少ない勘定科目だ。正味収入に対する割合で見ると、
会費収入が減少しているなか、比較的削減が容易な部類と思われるこれらの費用が、増加あるいは削減が進んでいない事は理解に苦しむ。真っ先に本来削減して、会費値下げの原資とすべきだ。特にこの数年で構成比が倍増している、機械化事務費、広報活動費、選挙費の3項目は問題だ。もし、この科目をH9年の構成比にもどせば、会員一人当り750円程度の会費値下げが可能だ。いったい、なぜこの項目は削減が進まないのか? 組織面では、理事定数を削減(4)して意思決定の手間を減らし、連盟内の事務を工夫していけば、まだ間接費を削減できる筈だ。これらも会費の値下げの原資とすることができる。
2.終身会員制度 なんと吃驚、2002年1月のJARL理事会で前納会費制度の廃止が見送られた。これでJARL財政で指摘した問題がまた一年先送りにされたわけだ。このツケを払うのは年払会員だ。もし、前納制度がなかれば現在でも一人当り約6,300円(5)程度の会費で運営できる。前納制度の廃止で会員一人当り約900円の会費値下げが可能なわけだ。これから財務改善が進んでいくと会員一人当りに必要なコストはまだ減少していくだろうが、前納制度がある限り会費値下げは不可能だ。年払会員の払う会費が前納会員の維持費に補填利用されるだけだ。
3.まとめ 一つの目標として、年会費5,000円以下で運営できる様に改善を進めれば、JARL本来の機能のみに集中でき、現在僅か10%程度に留まる組織率の向上も可能ではないかと期待する。もう1度定款(6)に立ち帰り、不要不急の事業は見合わせて支出を押さえ、平均的な会員も納得して払える会費水準、すなわち前述の2大サービスに見合った金額まで値下げしなくては、JARLの将来はない。 年払会員が連盟財政を支える今後、一人でも多くの年払会員が会費の利用方法を厳しくチェックすべきと思う。自分の払う会費が適正に使われていないと判断すれば、不満の意思表示をするべきだ。改善されなければ無駄なお金を使う必要はない。退会すべきだ。年払会員の減少が加速すれば、数年のうちに連盟は事業を維持できなくなる。これが連盟を正常化するための唯一の圧力なのだ。 いろいろ問題を抱えているが、大好きなコンテストの主催団体なので、会員の為の組織として立ち直り、存続することを願う。
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